尺八の名人といわれた神保正之助じんぼまさのすけと越後明暗寺の最後の住職、堀田侍川ほったじせんの合作とされています。「神保三谷」とも呼ばれて、東北系古典本曲の細かい技巧が随所に見られます。時には細かな、また時にはダイナミックな揺ゆり、布袋軒ふたいけんや根笹派ねささはの曲に共通するメロディーの動きに、時々入るユニークな旋律。そして「高音たかね」で存分に高揚感を示した後、「鉢返はちかえし」で二転三転尺八の様々な技法をおりまぜながら、息つく暇もなく曲は終結を迎えます。
CD 尺八古典本曲集[二]の7曲め