鷲峯しゅうほう山興国寺伝。興国寺は紀勢本線の紀伊由良駅から海岸へ歩いて十分。深い木立の山腹にある臨済宗法灯派の大本山です。開山した心地覚心(法灯国師)は宋で禅を学び、禅の一助にするため自ら尺八を習得すると共に四人の中国人の尺八名人を連れて帰国し、寺内に風呂番として住まわせたといいます。後、法灯ほっとう国師を祖師、虚竹きょちく禅師を開祖として京都明暗寺ができました。曲については京都六斎念仏の念仏踊りの曲とか、祇園祭りの祭礼で用いられたとか言われています。明暗真法流(降り葉)に伝承された(宮川如山作ともいいます)自由リズム・追分リズムの前吹きを経て、古典本曲には珍しい拍節的で覚えやすいメロディーが展開します。
CD 尺八古典本曲集[四]の2曲め