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尺八古典本曲集[一]

投稿日:1984-01-28 更新日:

尺八古典本曲集[一]
奏者:徳山隆
録音: 1983/12/27
本曲研究会
Copyright C 2019 by Takashi Tokuyama

1 調子 choshi
2一二三之調 hifumi no shirabe (5:10)
3秋田管垣 akita sugagaki (3:45)
4虚空 koku (9:23)
5呼笛・応笛 yobibue・oteki (1:21)
6曙之調 akebono no shirabe (4:29)
7伊予恋慕 iyo renbo (2:45)
8九州鈴慕 Kyushu reibo (4:17)
9些志 sashi (4:53)
10 蓬莱 horai (11:28)

禅の流れをくむ、吹く禅としての尺八の曲が今日まで伝えられています。古典本曲とよばれるものです。古典本曲は尺八の伝統に置ける最古のものとして、また仏教徒の関連や、日本音楽としては異例の純粋器楽曲として、多くの魅力と独自性を持っています。伝承者が高齢し、非職業的篤志家の手をで辛うじて支えられてきた歴史と伝統を何とか伝えようと、先に「尺八本曲の源流を求めて」をシリーズ化しましたが、今後は、尺八人の基礎教養として古典本曲が根付くことを願って、小生の音を公開する運びになりました。 古典本曲は厳密な一つの型があるというより、大まかな祖型のようなものが存在するのみであり、音の長さやリズム、テンポなど、吹き手の自由裁量の部分が少なくありません。当録音は、この祖型のワクを守りつつ、新たな入れ手などは一切加えず、吹禅の気迫と同時に音楽性も求めたものです。一般鑑賞用にある程度の残響を加えると共に、吹奏の一助になるよう、すべての曲を一尺八寸管で吹いています。

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1 調子 choshi
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2 一二三之調 hifumi no shirabe
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3秋田管垣 akita sugagaki
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4虚空 koku
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5呼笛・応笛 yobibue・oteki
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6曙之調 akebono no shirabe
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7伊予恋慕 iyo renbo
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8九州鈴慕 Kyushu reibo
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9些志 sashi
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10 蓬莱 horai
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奏者:徳山隆
録音:1983/12/27 赤坂スタジオ TAMCO ミキシングエンジニア:松崎和夫  デザイン:竹林孝枝・新倉晃(竹林工房) フォト:勘田義治  制作/レコーディング・プロジェクト  発行:/本曲研究会  〒156 東京都世田谷区松原5-20-12

1 調子 choshi
簡素な表現の中にも本曲のエッセンスが入っており、この曲を把握すれば古典本曲の真髄がわかるといっても過言ではない。元来は三虚霊(古伝三曲)の前吹きとして用いられ、「本手調子」「京調子」などとも呼ばれている。
2 一二三之調 hifumi no shirabe
指ならし、手始めの曲として奏され、数字の始まりの一二三(ひふみ)を曲名にしたもの。全曲、音の出しやすい低音域でできている。琴古流本曲36曲の中には古典本曲百数十曲と同じ名をもつ曲もいくつかあるが、曲調は全く違う。この一二三之調は例外的に琴古流のものと殆ど同じである。
3 秋田管垣 akita sugagaki
明暗34世樋口対山が浜松から京都に移住する際携行した11曲のうちの一つ。浜松普大寺の原型をよく残しているといわれている。曲名が県名や実りの季節に関係があるかないかなど全く不明、高音(たかね)の部分終わり方に、緩急が極端に混じり合った部分があり、曲の個性をきわ立たせている。
4 虚空 koku
伝説では、京都明暗寺の開祖寄竹(虚竹禅師)が、伊勢朝熊山の虚空蔵堂に参籠の際、霊夢の中に妙音を聴き、これをまとめたといわれる。古典本曲中特別の扱いを受けている(三虚霊)古伝三曲の中でも最も大きな構成で音楽性も高く、本曲尺八の一つの頂点をなしている。
5 呼笛・応笛 yobibue・oteki
虚無僧が寺を訪ねる際、案内を乞うために奏し他のが呼笛、寺内から応答に吹いたのが応笛である(托鉢中、別の虚無僧に会った時、作法として吹いたとする説もある)。呼竹、受竹ともよばれ、前者を合図高音ともいう。吹き方は派により異なったようで、根笹派では、呼笛で高い方のオクターブ全体に動き、応笛でそれをそのまま低い方のオクターブに写している。
6 曙之調 akebono no shirabe
所伝寺不明ながら、京都明暗寺の伝承にも含まれている。ただし、本格的修行の曲というより、破手雑曲、純然たる音楽的な曲として扱われている。曙は尺八の調子名の一つでもあり、単管で吹いても似合うような優美な曲である。
7 伊予恋慕 iyo renbo
旧京都明暗寺の明暗真法流に伝わっている曲。古典本曲は、無拍子、自由リズムを特徴とするが、この曲は珍しく拍節的である。明暗真法流は、当時の俗謡や祭囃子など雑多な内容をよせ集めたものらしく、この意味では拍節のあるものが存在してもおかしくない。
8 九州鈴慕 Kyushu reibo
九州博多一朝軒の鈴慕。九州は東北と並んで本曲の宝庫である。江戸時代の九州地方は、寄竹派の一朝軒の他、金先派の久留米林棲軒、柳川の江月院、活聡派の長崎玖琦寺などの虚無僧寺があり、相互交流していたらしい。九州地方の本曲に特有な、細かいアゴのメリカリ(上げ下げ)が特徴的な曲。
9 些志 sashi
サシは、サンヤ、スガガキ、レイボなどと並んで数多く尺八の曲名に用いられている。「薩字」「薩子」「些子」「薩滋」「謝志」など様々な字があてられ、5曲以上伝えられている。元は同一の曲であったかもしれない。その中で、この些志は構成の確かさとメロディーの魅力で、抜群の名曲である。
10 蓬莱 horai(10:49)
曲を伝えた国泰寺は富山県高岡郊外の臨済宗の寺。曲名は、蓬莱山という中国の想像上の不老不死の山から取られたらしい。陰施法、都節音階という近現代の日本情緒を象徴するメロディーでできており、尺八の五つの基本音の二つ目と五つ目の音がメリ(フラット)になっている。曲は多くのくり返しからなり、一部に箏曲の「六段の調べ」に似た部分もある。

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