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2015/05/26 本曲紹介コンサート

投稿日:2015-05-26 更新日:

 この6月から、「本曲紹介コンサート」を行います。
 世界中でここでしか聴けない虚無僧の独奏曲をご紹介します。今回は『徳山隆尺八古典本曲集』の第一巻に収録した、オーソドックスな京都・明暗の曲を中心にお送りします。予約等不要です。気軽にお出かけください。ご返信いただいた方には、チラシ添付してお送りします。

「徳山隆とその仲間たち、本曲紹介コンサート」
  6月5日(金) 午後7時(開場6時半)
  於 薬王寺
              台東区根岸5−18−5
メトロ日比谷線三ノ輪駅下車2分
電話03−3873−9686)

  参加費 三百円(資料代)

 最近、虚無僧の出てくる小説『柚子(ゆず)の花咲く』(葉室麟、朝日新聞出版、2010)を読みました。ここでは、虚無僧は悪役なのですが、内容はとてもよかったです。評論家の縄田一男氏は「生きていることが辛いと思える時、私たちには葉室麟の小説がある」とし、本作を「命懸けで人を愛するとは、人生を切り拓くための教育とは何か、そしていま自分は美しく生きているのか------ この作品には平成日本が失ってしまったすべてのものが詰まっている」とべたぼめしています。

 会場を提供してくださる台東区根岸の天台宗薬王寺・中曽根住職(昔のお弟子さんです)は、かなりの本曲の吹き手です。三十年ほども前のこと、お寺の新築法要に伺ったことがあります。その折、京都大原実光院のご住職天野伝中師も応援に見えておられました。天野師は、天台声明の第一人者で、慶応美学の卒論を声明で書いた友人に誘われてお訪ねしたことがあり、そのレコードをヨーロッパにも持ってゆきました。
薬王寺では、私自身の独奏会も何度もやらせていただいています。今回も無料でお借りしており、又、禅精神を全うするという意味でも、参加費は資料代(三百円)だけにしました。ご用意する資料は、岩波書店から全集もでている、江戸期の碩学大田南畝の残した「虚無僧寺リスト」です。最盛期には百近くあったとされる虚無僧寺の実態をうかがえる貴重なものです。また、薬王寺の「背面(後ろ向き)観音」は、有名な史跡ですのでご参拝もお忘れなく。 

古管も五十本ほど集まったので、そのうち出来の良いものを、ベテランのお弟子さんに貸与して、今回はそれで吹いてもらいます。人間の何倍も生きてきた古い竹がどのように響くのか、それも味わってください。今回用に、開式・閉式にオリジナル曲を用意しました。曲を作るのは自分の中身を見られるようで面映ゆいのですが、音の動きは自然でありつつ、リズムの面白さを心がけてみました。

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