徳山隆

動画

根笹派錦風流 獅子(奥伝7)

奏者:徳山 隆
「徳山 隆・禅尺八独奏会」<徳山隆による 話と演奏>
於・文京区福祉センター江戸川橋 視聴覚室
2022.7.24(日) 14:00-16:00
譜面(奥伝7)
 

YouTube:Tokuyama-Shakuhachiチャンネル

 

度々の旅

セドナ・ツアー (2001年3月)

21年も前になるのですが、セドナ・ツアーの時の小文、出てきたので

セドナ・ツアー
小生の吹禅尺八 (の微妙な響き)を高く評価する千坂さんの発案で、セドナ・ツアーが企画された。諸方に声をかけ、2月のリサイタルでも紹介。18歳から72歳までの総勢25名の楽しく充実した旅が始まった。
1980年代後半、私は3回にわたり演奏や指導でアメリ力東西岸を廻った。この時、邦貨5千万円のレトロ・メルセデスで、アレックス老人がシェスタ山のそばまで連れて行ってくれた。この時、もう一つの聖地としてセドナのことは聞いた。
評判に違わず、セドナの気は澄み、写真では決して再現できないその美しく微妙な赤茶けた岩の色は、いつまで見ていても飽きなかった。
着いてすぐのコンサートは、アッという間に終わった。開始早々高いびきが聞こえ、何曲目かに再び耳に入ったので、とっさに「生の音楽を聴いてるのは最高の贅沢だけど、風邪を引かないようにね」と当意即妙に英語で言ったら、これがバカ受け。以後止まらなくなり、好き放題しゃべりまくった。会場が賑やぎ、それに応じて突如ビートルズを吹く。舞の秋草さんの賛助出演は、「急かさず遅れず」邪魔にならないようにだけ気をつけ即興した。ホール側は、「今度は主催するから、またやってくれ」と言ってくれているようだが、まあ社交辞令として聞いておこう。
セドナは、近隣はもちろんアメリカのどの街にも似ていない。まるで地球外のどこかや異次元空間から突然ブレゼントされたような景色だ。ここでは、数々の超常現象が報告され、療養に訪れる人も多いというのも頷ける。今回迷子が出て、好天の白日の下でのピクニック気分?の大捜索が展開されたが、その際撮れた写真には、地面から垂直に上昇する靄・雲状のエネルギーが、はっきり写っていた。セドナの人たちは「神様はグランド・キャニオンを創ったかもしれないけど、住んでいるのはセドナだ」という小話に、自分たちのプライドを託す。

ホビ集落ヘ
セドナ・ツアーは、さらにホビの集落をも訪聞するという膨らみを見せていた。
有名な「ホピの子言」では、ホピ族の未来は地球のそれとリンクし、ホピが物質文明に汚染される時、母なる地球も大いに病んで、その存亡が危うくなるそうだ。インディアン諸部族で最も精神性が高いというホピ族の、日頃は外部の人間は立ち入れない奥の院まで見せてもらえるという今回の好機は、嬉しくも怖くもあった。自分の生き方も間われるのではないかと思ったからだ。だが、心配は不要だった。ホビの女性原理のやさしさもあろうが、彼らも自分たちのことで精一杯のようだ。グループという、塊になってのわれわれの来訪が、必ずしも歓迎されないことは出発前から聞こえていた。訪間はできたものの、予定されていた文化交流は中止され、そのビジネス臭を嗅ぎとりもした私のホピ感はさまざま錯綜している。
それはそれとして、あのような厳しい自然環境の下、電気も水道もない昔ながらの生活を続ける大変さを思う時、仮の来訪者に過ぎないわれわれは、その不実を責めるより、かの地の人たちの安寧を願うのがエチケットであろうか?
後で思い出したが、3年前の3月22日に私はホピの本を読んでいた(『 ホビ・精霊たちの大地』青本やよひ、PHP)。この日にちは、ちょうど我々が訪ねていた頃だ。あるいは、既にこの時小生のホピ来訪が決まっていたとでもいうのだろうか?
インディアン諸部族の細かい違いは分からないが、伝え聞く”サン・ダンス”は、自己の否定的感情や心の葛藤を昇華させるために、身体に針を刺して踊り続けられるのだという。このような行を堅持している人達の複数の生の声に触れて、わたしのインディアン文化への興味と尊敬は、大きく広がっている。
テントの中で熱石の発する高温の下、心身を浄化させるスウェット・ロッジにも参加した。虫か、あるいは植物にかぶれたか、左太股が4〜5箇所にわたってえらく腫れた。その名残は、「まるで、かの地での体験を忘れないように」と促しでもするかのように、今でも健在(顕在)する。

サンフランシスコ単独行
さて、ツアーの仲間とロスで別れて、一人シスコへ。バス並に頻発するジェット機でたかだか53分のフライトは、ベタ遅れで倍の時間がかかった。迎えにきた弟子のバリーは、「遅れるのはしょっちゅうですよ」と平然と待っていた。
12年ぶりの懐かしのサンフランシスコ。車窓からの町の佇まいは、昔とあまり変わっていないように見えた。ただし、車は増え、野球場は新しい素敵なものになった(ここで私が帰った翌日イチロー選手がSFジャイアンツとのオープン戦に出場。その後の活躍は、ご案内の通り)。
コンピューターを業とする弟子のバリーは年に何度も仕事で来日し、その都度稽古に来た。隣町のバークリー校の数学教授ロビン(かつては、彼の家に止宿)も呼びつけ、本曲を共に吹き、昔話に花が咲く。
サンフランシスコヘも何度か出かけた。本屋、楽譜屋、そして生のクラシック音楽。オープン・リハーサルというのを聴いた。指揮者のイッセルシュテットは、時々突然客席に向き直り、「サンフランシスコ響の優秀な諸君なら、この微妙なニュアンスの違いをきっと表現してくれると確信して、小生はこだわっておるのですよ」と、達者な英語でユーモアを交えて聴衆に話しかけ、繰り返し練習に対しての理解を得ながらしっかり笑いも取っていた。後半のビアノは、ハンガリー人のシフ。ベートーベンのコンチェルトが繊細かつ軽やかに響いた。新しい堂々たる西岸随一のこのホールも、後からの音響補正のアクリル板がたくさん吊るされている。舞台後景は木の格子造りで、歌舞伎のセットを街彿させる。
車で2、3時間のサンタ・クルーズには、現地の鍼灸学校を出て開業しているチクリンがいる。最近事故に遭って少しメゲていると聞いたので、会いにゆく。道が混むので早めに帰るつもりも、夕飯を一緒に摂った。
『医道の日本』などに書いたチクリンの記事から、アメリカの代替医療の活況を知り刺激を受けた。しばらくオクラ入りさせていたわが磁場共鳴(波動)健康予測も、しっかり結果(成果)が出ているので、ちゃんとやらなければ・・・との思いを強くした。

書籍

尺八日本史(3)

虚無僧研究会機関紙:一音成仏(いっとんじょうぶつ)第三十二号・平成十四年十二月掲載

『尺八日本史(3)』

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書籍

尺八日本史(2)

虚無僧研究会機関紙:一音成仏(いっとんじょうぶつ)第三十一号・平成十三年十二月掲載

『尺八日本史(2)』

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書籍

尺八日本史(1)

虚無僧研究会機関紙:一音成仏(いっとんじょうぶつ)第三十号・平成十二年十二月掲載 

『尺八日本史(1)』

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書籍

本曲演奏論

本曲演奏論明暗対山派・谷北無竹師の「本手調子」による規範化の試み(一)』(平成二十二年十二月)

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質問「明暗対山派本曲につきまして」

YK様からご質問をいただきましたので、公開で回答させていただきます。

YK様からのご質問(2022/7/11)

徳山 様

こんにちは。
古典本曲を徳山様の楽譜とCDから勉強させていただいております。
そこでお尋ねしたいのですが、CD(全5巻)の中でいわゆる明暗対山派本曲32曲に該当するものは、下記の18曲でお間違いございませんでしょうか。
ご教示くださいますと光栄です。

6轉菅垣 koro suga gaki(6:38)
7大和調子 yamato choshi(3:00)
9吾妻乃曲 azuma no kyoku(5:11)

1 鉢返 hachi gaeshi (3:48)
9 鶴之巣籠 tsuruno sugomori(11:11)

1 霧海箎 mukaiji (20:49)
4 三谷 san ya(8:56)
5 雲井獅子 kumoi jishi(9:07)
7 阿字観 aji kan(5:21)

1 虚鈴 kyorei (11:41)
2滝落 takiochi (11:35)
8恋慕流し renbo nagashi(10:49)

1 調子 choshi
2一二三之調 hifumi no shirabe (5:10)
3秋田管垣 akita sugagaki (3:45)
4虚空 koku (9:23)
6曙之調 akebono no shirabe (4:29)
8九州鈴慕 Kyushu reibo (4:17)

YK様
ご連絡ありがとうございました。
ご指摘の18曲で間違いありませんが、奥州鈴慕・陸奥鈴慕、および下り葉(根笹派ではないもので、譜面では「興国寺伝」としてあります)も、京都明暗系でよいと思います。
所伝寺については、重複があったりして、必ずしも確定できない場合も少なくありません。なお、譜面に関しては、2022年6月に、京都明暗の32曲を含む全国の禅本曲180曲程度を公開しました(なお数曲は未整譜ですが)。

本来、樋口対山(鈴木孝道)が、浜松(普大寺)から京都へ持っていったのが11,2曲程度です。
後は、九州や江戸(琴古流)、奥州からのものを蒐集(換骨奪胎)し、32曲にしたようです。

樋口対山の奏風をもっとも忠実に伝えるとされるのが、谷北無竹です。
谷北先生より先に、京都明暗の看主になった小林紫山が、一定の改訂を加え今日の京都明暗ができました。
「樋口対山の古風にこだわるなら、谷北師の演奏を手本に」とするのが、稲垣衣白先生(愛知県豊田市の開業医)の立場だったので、その遺志をついで、『古典本曲の源流を求めて/谷北無竹集Ⅰ~Ⅲ』を製作しました。なお、小生の演奏は、谷北先生の演奏そのものではありません。特に『三谷』に顕著なように、陽旋(田舎節・雅楽のテトラコルド音階)が目立ち過ぎる部分を、何か所か、陰旋(都節音階)に直して吹いています。ただし、これは小生が勝手にやったわけではなく、岡本竹外先生の吹き方でもあり、その先生の桜井無笛先生なども同様です。
 無笛師は、谷北無竹師に直接つながるので、一部都節音階という半音の使用もそれなりの歴史の必然ではあったと考えられます。小生の取り組んだ本曲は、基本的には曲名はもちろん、なるべく元のままいじらないでそのまま継承するのをモットーとしてはいるのですが、この点は現代に生きるわれわれの感性に合わせるには仕方がないように思っています。弘前の根笹派や、琴古流の本曲のように、すべてを陰旋(都節)になった例とも聞き比べてきださい。

江戸時代のある時期に、淫声(いんぜい)と言われる「都節音階」が爆発的に流行って以来、今日の演歌(歌謡曲)に至るまで都節音階は一大潮流になりましたが、それ以前はわが国では半音を含む旋法はありませんでした。
樋口対山が浜松からの曲を擁して今日の京都明暗派を創流した結果、それまでの京都生え抜きの明暗真法流は途絶えました(一応、小生が全55曲のうちのほとんどを完全復刻し公開済み)が、その理由は、音階が半音を含まない古いものだったので、時流に合わなかったためと考えられます。

それより古い「一節切の曲」も、古譜から復刻可能ですが(公開した鹿児島の「天吹(てんぷく)」の譜面同様)、今日のわれわれの感性に訴えるものとしては、物足りなさを感じます。

遅くなりましたが、お返事まで

徳山 隆

お知らせ

2022年7月24日(日)徳山 隆・禅尺八独奏会

7月24日(日)、文京区の江戸川橋で独奏(独演)会があります。幹事の古藤(ことう)さんから、一般の方も参加できる旨連絡いただきましたので、お知らせします。
コロナによる順延で、2年越しで実現した会です。この後、しばらく録音に専念するので、この機会をお聴き逃しなく。

参加されたい方は、幹事の古藤(ことう)さんにご連絡お願いします。
参加費が2500円に変更されました(2022/07/18追記)。

徳山 隆 禅尺八 独奏会
徳山隆による 話と演奏
日時:2022年7月24日(日) 14:00〜16:00(開場 13:30)
場所:文京区福祉センター江戸川橋 視聴覚室
   〒112-0006 東京都文京区小日向 2-16-15
   東京メトロ 有楽町線「江戸川橋」駅 4番出口から徒歩4分

曲目:三谷(京都明暗流)
   三谷清蘭(弘前・根笹派錦風流)
   三谷菅垣(江戸・琴古流)
   他
参加費:二千五百円(当日払い)(当初より500円高くなりました
申込先:古藤秀樹(監査懇話会 江戸文化研究会)
メール:kotoh6760アットマークicloud.com
電話番号:左の案内ポスターをクリック拡大して下さい

購入方法

ダウンロード方法

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